空き巣や侵入盗といった「家」を狙った犯罪の話をすると、非常に多くの人がこのような受け答えをします。
「うちには盗られるものないから大丈夫!」
「うちは盗られるものないから」…本当に大丈夫?
特に一人暮らしのお宅は「大切なものは実家にあるし、金目の物も置いてないから…」と根拠もなく安心しているケースが少なくありません。また一人暮らしを始めたばかりの女性の中には、実家では鍵を掛けていなかったと言う事で、その習慣をそのまま都会でも続けている人もいるのではないでしょうか。
ちょっと待って!!その習慣、とっても危険です!
なぜならば侵入者が狙っているのは金品だけではありません。あなた自身も狙われているのです。
無施錠の女性宅に侵入。入浴中に体を触った25歳男逮捕
入浴中の女性の自宅に侵入して体を触るなどしたとして、警視庁捜査1課は14日、強制わいせつと住居侵入の疑いで、東京都世田谷区池尻、会社員、山口湧太容疑者(25)を逮捕した。同課によると、「間違いありません」と容疑を認めている。
5月以降、同区内で20~40代の女性に対する同様の被害が数件相次いでいることから、捜査1課は山口容疑者が関与したとみて調べている。
逮捕容疑は14日午前5時ごろ、同区内のアパート1階の20代女性の自宅に侵入し、入浴中だった女性の体を触るなどのわいせつな行為をしたとしている。
女性は1人暮らし。自宅は無施錠だった。山口容疑者は女性と面識はなく、「女性の後をつけた」と供述している。周辺の防犯カメラの映像に山口容疑者の姿が写っていたことなどから特定した。
女子大生の部屋に侵入し勝手にシャワーを使用。和歌山大生の男を逮捕
女子大生(21)の部屋に侵入したとして、和歌山県警和歌山北署は8日、住居侵入容疑で和歌山市中の和歌山大3年の男(20)を逮捕した。「ドアが開いており、出来心だった」と容疑を認めているという。
同署によると、男は部屋の浴室でシャワーを使用していたところを外出先から戻ってきた女子大生が発見。女子大生が「知らない男が自宅の風呂に入っている」と110番し、駆けつけた同署員が取り押さえた。
逮捕容疑は、8日午前1時半ごろ、同市中のアパートの女子大生の部屋に無断で侵入したとしている。男と女子大生はアパートの同じ階に住んでいたという。
エントランスのオートロックは油断の根源
上の2件の事件だけではなく、一人暮らしの女性を狙った事件は後を絶ちません。特に狙われているのが無施錠の家です。なぜ一人暮らしの女性が鍵を掛けずに平然としていられるのでしょうか?それはマンションのオートロックがあるからです。
こちらのグラフを見てください。2008年(平成20年)と2013年(平成25年)における共同住宅のオートロックの割合を示したものです。こちらも見ると2008年には26.3%だったオートロック式共同住宅が、たった5年で31.7%へ上昇しています。オートロック式ではない住宅の件数が微減しているところから、この5年で建てられた多くの住宅が、エントランスはオートロック式であることが推測されます。
オートロック別共同住宅数推移
総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査」より
「マンションは本当に安全か?」の記事で紹介している通り、エントランスがオートロック式の住宅は、その安心感から玄関や窓の鍵を掛けずに油断してしまう人が少なくありません。しかし、その心の隙間に入り込み、無施錠を狙った犯罪者がいる事も忘れてはなりません。玄関ドアには必ず鍵を掛けましょう。